草や木、花、果実、樹皮、葉、根など、自然界にある植物から採れる「色の素」を使ってつくられた顔料のことです。古くから日本や世界各地で染料や絵具として利用されてきました。
顔料とは、本来、水などに溶けにくい「粒子状の色素」を指し、染料とは異なり、定着には媒染剤などが必要です。草木顔料は、植物から抽出した色素を自然素材に定着させたり、乾燥させて粉末にしたりして使います。
色の特徴は、季節や採取した環境により微妙に変化し、人工的な色にはないやさしさや深みがあり、植物の個性がそのまま色に表れます。草木顔料は、自然とともにある暮らしや表現を育む色材です。